久しぶりのバイヤーエッセイとなりましたが、KAJAのバイヤーチームは今年もインドネシア国際家具エキスポ(IFEX)を視察してきました。
開催地は、現首都ジャカルタ。インドネシアはカリマンタン島のヌサンタラに首都の移転を進めていて、2045年完了予定と言われています。国家の一大事業がまさに進行中。そんなジャカルタは移転理由のひとつにある通り人口集中都市、いつもバイヤーチームが買い付けを行う地域とは異なり、都会の喧騒に包まれています。
会場は、インドネシア最大の展示会場、ジャカルタ国際エキスポです。
さて、今回も2日にわたってこの展示会を見て周りました。
広い会場、目立つ演出をしているメーカーは、やはり足を向けやすくなります。そういった目に止めてもらおうという工夫と労力には応えつつ、まずは全体をざっと見回ります。
小さな家具のモビールを下げていたメーカー。
ずらりと吊るされた照明展示。
シーグラスの機織り実演。ランチョンマットやバスケットに加工されていきます。
こちらもラタンのカゴメ編みシートを実演する職人。特別な棒状の道具で一列ずつ一気に編み込んでいました。手際よく均一に仕上げられていく様子に見入ってしまいました。
アウトドア家具も種類が豊富でした。各メーカー、力を入れている模様。室内外をシームレスに見せるインテリアのトレンドによって、海外からの受注が多いと見受けられます。
全体のトレンドとしては、くすんだ色合い、丸みを帯びたデザインが主流でした。洗練されてはいるけれど、無難な雰囲気も否めません。そこにかつてのアジアの印象はありません。
インドネシアでは西欧人がオーナーのメーカーが古くから多く、そういったメーカーは元より洗練された上品なデザインを得意としていましたが、今やどのメーカーも変わりなく、よく言えば今風のデザインを持っています。世界的に同じようなトレンドが広がる今、没個性を感じることもありますが、そんな中でも独自のセンスでトレンドをうまく取り入れている隠れた優良メーカーを探すのが今回のミッションのひとつです。
ということで、ざっと全体を見回った後は、仕入れやすさを考慮して、ジャワ島内にあるKAJAの倉庫から距離的に近い場所のメーカーを重点的に回りました。昨今の輸送費の高騰はダイレクトに価格に響くので、インドネシア内の移動も近ければ近いほど、商品価格を抑えられるのです。
そんなご近所メーカーの中で注目したのはコンクリートを使った家具です。強化シートでコンクリート風の質感を出す家具も出ているところ、本物はやはり質感が違います。見た目のスタイリッシュさに、色のバリエーションもあってKAJAの家具の中に入れると良いアクセントになりそうです。早速いくつか見積もりをお願いしました。
照明もデザイン・サイズ感ともに手頃で魅力的なメーカーがあり、見積もり依頼をかけることができました。
無事、いくつかの新規メーカーに手応えを得ることができて、ひと安心。
引き続き、次回のエッセイでは、展示会2日目の様子をお伝えしたいと思います。
お楽しみに。