今回は、KAJAのアイテムの半数以上を締めるインドネシアの奥深いインテリアアイテムに関して。
インドネシアには1万以上の島々があるのを、知っていますか。
リゾート地として知られるバリ島だけじゃないんです。
インドネシアの島々には、それぞれにとても多くの民族と文化が根付いています。
たとえば、スラウェシ島の山間地域に住むトラジャ族。
独特の死生観と葬儀形式が有名で、木彫り細工でも知られるインドネシア民族のひとつです。
そのトラジャ族のオブジェ。
Tameng Toraja(トラジャの盾)と名付けられた木彫りのオブジェです。
盾と名付けられていることから、身を守るためのものだったと想像できます。
博物館にありそうな、土着的な雰囲気を宿す、不思議なオブジェです。
トラジャ語は音声言語であり、文字を持たないそうです。
そこで、伝達手段として木彫り細工が使われていたとされています。
そこには、一体どんな暮らしがあったのか、想像するにも興味深いオブジェです。
一方、こちらはバリ島に伝わる伝承の聖獣「バロン」のお面。
森の「バナス・パティ」(良気)の顕現であり、
バリ・ヒンドゥーの善の側面の象徴とされています。
悪の象徴である魔女ランダに倒されても必ず復活し、永劫の戦いを続けます。
ここから、バロンはあらゆる災害を防ぐ力をもつと信じられています。
また、バリの人々は、バロンは踊り好きであると信じており、バロンが踊る祭礼は数多くあります。
そのどれもが、バロンとランダが対で登場します。
そこには、悪なるものと、善なるものは同時に存在し、
そのバランスがうまく保たれることによって世界は成り立っているという、
インドネシアの伝統的な世界観を、垣間見ることができます。
インドネシアは、ファブリックに関しても、地域によって柄やモチーフが異なります。
ティモール島、スンバ島、ロティ島。
雄大な自然の中で生まれるモチーフは、動物や自然が織り込まれることが多く、
工業製品にはない、あたたかな視線と素朴な暮らしが感じられます。
ものが生まれた背景には、それぞれの文化があり、美徳があったのだと思います。
特に、今のようにものが溢れていない時代に生まれたものたちには、
不思議な魅力が詰まっています。
そんな背景を、南の島々の文化や暮らしに、思いを馳せて、
1点もののインテリアオブジェやヴィンテージアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。