2024年4月、世界最大規模と言われている家具の見本市ミラノサローネに私たちインテリア事業部KAJAと建築事業部KAJA DESIGNの合同で視察に向かいました。
インテリア事業部の視察目的は主に最新のインテリアトレンドをチェックすることで、商品の仕入れや商品開発に活かしていく予定です。
メインのフィエラ会場は、東京ドーム約9個分という広さ。
その中に約2000の企業が出展。世界中から多くの人々が訪れるのも納得のスケールです。
また、期間中はメイン会場だけでなくミラノの街全体がさまざまなブランドやデザイナーによる展示で包まれ、まさにデザインの祭典といった盛り上がりを見せます。
年月を重ねて生まれる味わいや強固さに価値が見いだされるヨーロッパの街並み。
イタリアも石畳に古い建物が多く、その古き良き建物の中で最新のデザインが披露されているのです。
古びた建物の中に足を一歩踏みいれると、最旬のインテリアプロダクトがここぞとばかりに並んでいて、圧倒されます。
といったわけで全部のブランドは紹介できないので、全体を通して感じたトレンドの印象をお伝えします。
カラーはグリーンやテラコッタなどあたたかみのある色合いが目を惹きました。
ファブリックではブークレ(表面に糸の輪っかが出るように加工されたもこもこ、ふんわりとした質感の素材)がよく使われていた印象です。
大理石を取り入れたデザインも多く見られました。丸みを描く曲線を活かしたフォルムも多かったようです。このあたりがトレンドと言えそうです。
さらに注目すべきは、過去のデザインをファブリックや色を変えて新たに製作しているブランドが多く見受けられたことです。
Molteni & C(モルテーニ:デザイナーの間では「モルテーニの技術をもってすれば不可能が可能になる」とまで語られているイタリアの家具ブランド)↓
FLEXFORM(フレックスフォルム:イタリア建築&デザイン界の巨匠 Antonio Citterio がプロダクトデザインを行う家具ブランド)↓
poliform(ポリフォーム:高級家具の生産地として名高い、イタリア・ブリアンツァ地区に製造工場を設けるモダンでスタイリッシュなデザインの家具ブランド)↓
などのブランドです。
サステナブルやsdgsが一般化された今、デザイナーたちは新しいものをただ作っていくだけでなく過去のデザインを活かしながらアップデートしていくという感じでしょうか。
minoti(ミノッティ:タイムレスなラグジュアリー空間を提案するイタリアのモダン家具ブランド)では70’sのアートや照明、建築との融合がテーマの展示もありました。↓
今までのように異素材を組み合わせたデザインだけではなく、時代を組み合わせるという発想が新鮮でした。
KAJAでもあらゆる理由で廃番となる商品が多くあります。売れ行きが良くない場合もありますが、職人が変わってしまって同じものが作れないことや、素材となるファブリックや部品が廃番になって作れないこと、それでも一度製作した商品は、図面や部材などがあれば活用できます。
サステナブルな社会では、消費者側の使い捨てに目がいきがちですが、製作する側にも新しさだけに囚われずに、柔軟に資源を活用するという視点を持つことが必要です。
そんな姿勢を改めて感じ、KAJAとしても考えさせられました。
世界中から人々が集まるミラノサローネ。
その熱気の中心がインテリアデザインにあること、そのすべてが魅力的で刺激になりました。
まだまだ世界は勉強になることばかりです。次回はそんな中でも特に印象的だったブランドについて、ご紹介します。
お楽しみに。