こんにちは。
調布店勤務の家具バイヤー岡田です。
前回のエッセイでは、ジャワ島でのチーク材家具メーカーの視察エピソードをご紹介しました。
さて、チーク材といえば、ウォールナット、マホガニーと並ぶ三大銘木として知られる希少価値の高い素材。
今回は、そのチーク材の魅力についてお伝えしたいと思います。
チーク材は、KAJA商品のレギュラー素材で、「長く使える家具を!」というお客様にオススメしやすい良質な素材です。
チーク材の何がすごいかというと…。
・材質が硬く、とにかく丈夫!
・時を重ねるほどに色が深くなり、味わいを増す。
・手触りの良いしっとりした質感。
などなど最高に頼もしい素材なんです。
その秘密は、チーク材に含まれる特有のオイル成分にあります。
チーク材は、天然のオイルが多く含まれているため比較的水に強い木材です。
なので、例えば無垢材のテーブルは多少の水は弾きますし、さっと水拭きのお手入れもOK。
さらに天然オイルに含まれるテクトキノンという成分には防虫効果があり、木の密度も高いチーク材は、害虫の侵入を防ぎやすいという側面もあります。
乾燥の工程をしっかり行えば、製品化した後の木の伸縮や変形はほどんどないため、建築や家具の素材にもってこい! という訳です。
古くから、インドやタイの寺院、イギリスの豪華客船、日本の戦艦など、重要なものの建材や船材に使われてきたことにも納得です。
天然のチークが育つのは、インド、インドネシア、タイ、ミャンマーといった東南アジアの極一部。
古くから質の高い木材として世界的に人気があった天然チークは、各国の需要を満たすために徹底的に伐採されました。
そのため、今、天然チークとして出荷されているそのほとんどは、本チークと言われるミャンマーチークだけになってしまったようです。
そして、本チークがなくなるのも時間の問題と言われていて、価格は高騰の一途。
KAJAの家具には、インドネシア産のチーク材を使用しています。
昔、取り壊された古い家の建材を古材として活用したものや、ネシアチークと呼ばれている植林して育てたチーク材です。
古くからチークの伐採が進んでいたインドネシアでは、オランダの植民地だった1886年よりチークの計画的植林をスタート。
そのため、今、古材とされているものには、天然チークとネシアチークが入り混じっていると言われています。
とはいえ、時を経て色が深まり味わいを増したチーク古材の家具は、なんとも言えない重厚感を漂わせ、さりげなく置くだけで部屋の雰囲気がアップします。
最近は古材入手が難しく、家具の仕入価格が年々上がっていますが、希少なものですし、“一生ものの家具”になることは間違いありません。
気に入ったデザインに出会ったら、ぜひ、ご検討いただきたいです。
↑チーク古材を使用した「オールドチークダイニングテーブル」時の経過とともに味わいが増し、存在感もアップ
一方のネシアチークで作った家具は、天然チークよりも色が明るく、軽やかな印象。
シンプルな部屋に合わせやすく、コーディネートしやすい!
人気のBOHOスタイルや、ナチュラルな雰囲気がお好きなお客様にオススメしています。
↑ネシアチークを使用した「FARGO/ラウンドコーヒーテーブル」「FARGO/ラウンドサイドテーブル」トレンドの「ブラック×ウッド」のコーディネートに取り入れても。
ネシアチークの家具は、比較的手頃な価格で購入できるのも魅力です。
天然チークや古材に比べると、含まれる油分が少なかったり、含水率が若干高かったりと、チーク本来の個性は少し弱まりますが、KAJAでは家具製造後、時間をかけて品質を徹底的にチェック。
安心して長くお使いいただける商品を揃えています。
さて、丈夫で扱いやすそうなチーク家具ですが、お手入れをすれば、さらに末長く、愛着を持って使っていただけます。
乾いたやわらかい布にオイルを10円玉くらい染み込ませ、家具に優しく擦り込みます。
僕は、レモンから搾り取ったレモンオイルでのお手入れをオススメしています。
素材の色をいかしたライトな仕上がりになり、柑橘成分には汚れをつきにくくする効果があります。
ほんのり広がるさわやかな香りも空間のアクセントに。
そうそう、テーブルやチェアの脚への塗布もお忘れなく。
もし余裕があれば…オイル塗布後、柔らかい布にワックスを塗って表面を保護すれば完璧です!
ミツロウなどを含んだ植物性のワックスを使えば、食事をするダイニングテーブルや、お子さんがいるお家でも安心してお手入れできますよね。
月に2回のお手入れをおすすめしていますが、乾燥が激しい冬は週に1回が理想的。
ちなみにですが、僕の家のダイニングテーブルは全くのノーお手入れです。
あ、これは何もしないとどうなるか、その経年変化を見てみたいという理由からなので!笑
さて、次回のエッセイは、バイヤーの大切な仕事の一つ、商品検品について書いてみたいと思います。
「地味!」と思った方、ダイナミックな? シーン画像もご用意していますので、どうぞお楽しみに。