お久しぶりです!
調布店に勤務している雑貨バイヤーの和田です。
前回エッセイに登場したのは3月。
だいぶ間が空いてしまいました。笑
さて、久々のエッセイでご紹介するのは、バイヤーの大切なお仕事の一つである「検品作業」について。
買い付けたアイテムが到着すると、オーダーした数がきちんと納品されたか、すべての商品が指示通りのサイズ、デザインに仕上がっているか、破損はないか…などなど、さまざまなチェックを行います。
この検品で大きなアクシデントがなければ、お客様にようやく買い付けた商品をご覧いただけるというわけです。
バイヤーにとっては、ハードな1日ですが、気にかけていた心配ごとが少し解消される日でもあります。
↑今回入荷したアイテムのひとつ、アルミの収納雑貨
先日納品された雑貨は、4月にバリ島の工房にオーダーしたもの。
この工房とは、約3年前から取り引きをしていますが、ハンドメイドながら、安定した品質の商品を提供してくれています。
ただ、今回の納品には、リピートオーダーの商品に加え、新商品のダストボックスも含まれています。
しかも、そのダストボックスのデザインやサイズの指示は、メールと電話でのやり取りのみだったので、こちらの意図がしっかり伝わっているか気がかりでした。
細やかなやり取りをしてきたので、大丈夫だとは思うけれど、自分の目で一点一点確認するまでは気が気じゃありません。
工房からの出荷準備が整うと、KAJAのインドネシアスタッフのアンディ&リサ夫妻が、まずは現地で検品をしてくれます。
なので、大きなトラブルを抱えた商品が日本に運ばれることはない!…はず。
検品が済むと、梱包した商品を、コンテナにパズルのように荷積みします。
そしてトラックはバリ島の港へ。
そこから船に積まれ、いよいよ日本へと旅立ちます。
そして、約3週間後−−。
KAJA調布店に現れたのは20フィートコンテナを重そうに背負ってきたシャーシトラック。(コンテナを載せるトラックのこと)
荷下ろしのために集まったスタッフ総勢10名。
もちろん、その中には、荷下ろしに欠かせないフォークリフトを操作できるスタッフも。
荷下しの準備は整った。
いよいよ、コンテナの扉が開かれます!
わっ、みっちり!
積んだ商品のわずかな隙間に、バリの熱気が一緒に運ばれてきた気がします。
さあ、私も行動開始。
調布店用の商品を、「これはあっちへ、それはこっちに」とスタッフに伝えながら、一方で、吉祥寺店、湘南平塚店に運ぶ商品の仕分けの指示もしなくてはいけません。
どちらの店舗のお客様にも、できるだけ早く入荷商品をご覧いただきたい。
他店舗用の商品は別のトラックに積み直し、それぞれ目的地へと出発です。
さて、1時間かけて荷下ろし作業を終えると、コンテナは気持ちいいくらいに空っぽに。
逆に調布店の店内は、まだ梱包されたままの商品で溢れ返っています。
倉庫併設の調布店ではあるけれど、これはサクサク検品しないと、売り場が売り場になりません! 笑
厳しく目を光らせつつ、まずはそれぞれの商品の納品数をチェックすると数字はピタリ。
ひと安心です。
さて、気にかけていた新商品のダストボックスの仕上がりはどうでしょう?
大きな開口部があるふたを設けたので、ゴミは入れやすいのに中のゴミは見えにくいという、実用性の高いダストボックスになりました。
形はスクエアで、サイズはW20cm×D20cm×H30cm。
外側の細やかな模様は、実はアルミ素材を内側から1点1点丁寧に打ち付けて凹凸をつけたもの。
そこに色付けをしてエイジング加工を施しているので、模様がより際立っています。
色はブラックとホワイトの2パターン。
このダストボックスの検品のポイントは、ふたが本体にカポッとスムーズにはまるかどうか。
ふたのサイズについては、製作途中に何度も工房に細かく確認し、互いに気にかけてきました。
職人さんの努力で、商品完成時にキレイにはまっていても、コンテナ内の温度や輸送途中の状況次第で、形が歪んでしまうことも。
そうしたフォルムの変形に加え、塗料の剥がれなども、しっかりチェックしていきます。
時間をかけて検品した結果、今回は大きなトラブルがなくて安心しましたが、たまに、アレ? と思うようなミスをしてくる工房もあります。
例えば納品数が微妙に足りなかったり(結局積み残しだった)、梱包が雑過ぎて商品が変形していたり…。
そして、今回もアレ? ということがありました。
でも、それはミスではなく、想定外のちょっとした嬉しい気づかいでした。
ダストボックスの商品開発途中に、「日本ではビニール袋を入れて使用することが多い。だから開口部はビニール袋の折り返しの厚みを考慮して、ふたのサイズを調整してほしい」と、工房に伝えていました。
そのせいか、使用時さながらに、すべてのダストボックスの内側に、依頼していなかった透明のビニール袋が入っていて、ちゃんとその上からふたをかぶせてくれていたのです。
おかげで、本体とふたのサイズ感はまったく問題ありませんでした。
試しに一つだけビニール袋をしてふたをしてみる…でもよいと思いますが、すべての商品に袋を入れてくれるとは!
きっと、結構な手間だっただろうに、気を遣ってくれたんだなあと。
インドネシアは、いつもおおらか。ちょっとしたミスはミスと思っていないみたい。
そして気まぐれに? 思わぬひと手間を加えてくれることも。
何年続けても新しい発見があります。
今回のちょっとした嬉しいアクシデントは、工房の方々との距離を、少し近づけてくれたような気がします。
さて、次回のエッセイは、KAJAのサイトやカタログに掲載している、家具や雑貨のスタイリング画像の撮影にまつわるお話。
今、注目されているコーディネートスタイルや、スタイリングのポイントなどもご紹介する予定です。
ぜひ、チェックしてみてください!