こんにちは。
家具バイヤーの岡田です。
9月の出張で買い付けた家具のサンプルがいよいよ搬入されます。
買い付けたのは、質の良いチークと美しいラタン編み素材などを使ったソファやローテーブル。
KAJA期待の新商品! ということもあり、サンプルの完成をずっと心待ちにしていました。
名前は「ROTE (ロテ)」シリーズ。
ソファをメインにしたシリーズ商品になります。
販売に先立ち、「ROTE」シリーズとの出会いと買付けのエピソードをご紹介します!
「ROTE」シリーズとの出会いは、ジャカルタで春に開催された家具の大見本市IFEX (Indonesia Furniture Expo)。
名に覚えのないメーカーのブースに、キラリと光るソファを発見。
「これはいい!」
一目でグッと惹かれました。
とはいえ、初めて知るメーカーの商品をその場ですぐに買い付ける・・・なんてことはしません。
工房の設備や職人の技術、現地の担当者の対応など、どのようにものづくりに取り組んでいるのか実際に見て納得しないことには、パートナーシップを結ぶわけにはいかないのです。
というわけで、9月の買付け出張のスケジュールにこのメーカーへの訪問を盛り込み、工房の様子をしっかりと見学してきました。
工房を訪れたところ、いろいろな驚きがありました。
まずは、職人だけでも100人以上が働く、規模が大きいメーカーだということ。
そして、想像以上に設備が整っていたこと。
度肝を抜かれたのは、家具を乾燥させるためのオーブンの大きさ。
通常の倍はあります!
湿度の高いインドネシアで作られた木製家具を乾燥した日本で使用すると、割れたりヒビが入ったりすることがあります。
品質保持のため、工房のオーブンでしっかり乾燥させてから出荷することが大事なのですが、ここなら、ソファのような大型家具でも十分に乾燥させることができそうです。
(訪れた工房のビッグオーブン。大小2台並んでいて、他のメーカーで見るのは、扉が開いている右側のサイズくらい)
工房の作業は分業制。
システマチックに作業が進んでいく様子はなかなか気持ちが良いものです。
もちろんそのすべてが手作業。
職人の手さばきは無駄がなく、みな黙々と作業をこなしていました。
緊張感のある現場の雰囲気や、出荷直前の家具がたくさん積まれていたことから、ビッグオーダーを受けている忙しい工房なのでしょう。
発注後にやり取りをするであろう担当者の対応も良く、このメーカーなら良いパートナーシップを結べそうだと確信。
何よりも商品が素晴らしく、どのアイテムを見ても、インテリアのトレンドをさりげなく取り入れながら、品の良い家具づくりをしているなあと感じました。
オーナーはオーストラリア人。
ハイブランドの動向にもしっかりとアンテナを張っていて、“今”を感じさせる家具づくりができるメーカーなのだということもわかりました。
こうした新しいものを柔軟に取りに入れていく姿勢は、共に家具づくりをしていく上で、とても心強いことです。
(同じメーカーが大見本市に出店していた別商品。「トレンドを意識しているな」と実感)
取り引きをする上で外せない条件がクリアになったところで、早速、見本市で一目惚れしたソファの買い付けをすることに。
既製のソファは、日本の住宅には少し大きすぎるので、KAJA仕様のコンパクトサイズでオーダーしました。
このソファの魅力はたくさんありますが、まずはアームから座面にかけての、丸みのあるフォルムに注目していただきたいです。
質の良いチーク材を美しいカーブを描きながら裁断し、座面、さらには5本の脚にピタリと接合させています。
裁断、組み立ての確かな技術があってこその仕上がりです。
さらに、背もたれやアームの下に張った、ラタンの細やかな網目の美しさにも目を見張るものがあります。
そうした職人の技もさることながら、このメーカーの素材への知識や設計、品質管理のノウハウは相当なものなのではないかと。
なぜなら、こうした丸みを帯びた木製のソファの場合、強度や安全性を確保するのが非常に難しいからです。
そうした確かな技術を持って完成したこのイチ押しソファ「ROTE リゾートソファ」をメインに、二つのローテーブルを加えて「ROTE (ロテ)」シリーズとして展開します。
ローテーブルの一つは、ソファと同じラタン素材を、天板を支える土台に使用。上から見るとまるで“豆”のような形をしているのでその名も「ROTE ビーンズテーブル」です。
もう一つは、天板の一部に、今、再注目されている大理石をはめ込んだ「ROTE コーヒーテーブル」。
どちらもほかでは見られないユニークなデザインのローテーブルです。
こうして、自信を持って買い付けた「ROTE」シリーズのサンプルがいよいよ日本にやってきます!
さて、このシリーズの魅力を最大限に伝えるにはどうすれば良いか・・・。
KAJAでは、家具のピーアールの仕方を考えるのもバイヤーの仕事の一つ。
次回のエッセイでは、「ROTE」シリーズの魅力をさらに掘り下げながら、家具のピーアールの手法についてご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに!