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Column

コラム
2020.06.20

緊急事態宣言下での家具づくりの新しいカタチ

インドネシアの風景

こんにちは。

家具バイヤーの岡田です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、家具の買い付けにも大きな影響を及ぼしました。

例えば、昨年から温めていた新作家具の開発。

2月にはインドネシアの工房に出向き、いつものように職人さんに細かいニュアンスを伝えて製作に取り掛かる予定でした。

ところが、コロナウイルスの影響で海外出張はすべてキャンセル。

それでも、初夏の販売を目標とし、工房に製作を依頼しました。

まさか、メールやオンライン通話のみで新商品の開発をすることになるなんて…。

今回のエッセイでは、 リモートによる新作家具製作のエピソードをご紹介します。

アジアン家具KAJAバイヤーエッセイ

非常事態宣言中に製作していたのは、過去のエッセイでもご紹介したMUSCA(ムスカ)シリーズの新作です。

硬いチーク材に細やかに彫り込んだ文様こそMUSCAシリーズの特徴。

どのアイテムにも職人の卓越した技術が注ぎ込まれています。

世代を選ばず人気があり、KAJAが創業当初から買い付けている定番の家具です。

アジアン家具KAJAレリーフの家具のUP

MUSCAの家具に多く使われているのが、円形の連続からなる七宝模様。

円満、調和、良縁といった願いが込められた縁起の良い文様とされていて、KAJAでも大事にしているモチーフの一つです。

職人の手で丁寧に刻んだ七宝模様をあしらった家具は、穏やかさと品の良さを纏い、お部屋に落ち着いた空気をもたらしてくれます。

アジアン家具KAJAレリーフの家具

そのMUSCAシリーズの新作として、ちょっとした小物が整理できるキャビネットや、テレビボードなどの収納家具を展開することになり、昨年からデザイン案を練っていました。

デザインは僕が担当しました。

MUSCAシリーズは入社前から特別な存在だったので、新商品の開発には力が入ります。

インドネシアと北欧のエッセンスを融合させ、空間にインパクトを与えられるデザインを目指しました。

アジアン家具KAJA新作家具作り

アジアン家具KAJA新作レリーフチェスト

今までのMUSCAシリーズは、家具の正面や側面に広く七宝柄を彫り込んだものがほとんどでしたが、新作は柄のボリュームをぐっと抑え、アクセントとして取り入れることに。

どうすれば模様を効果的にデザインに取り入れられるか悩みに悩み、その効果的な配置を探りました。

脚のデザインにもこだわりがあり、スタイリッシュな北欧家具をイメージして、細めの脚を、角度をつけて取り付けることにしました。

アジアン家具ダイニングチェスト

完成した設計図を見ると、今までMUSCAシリーズを作ってきた工房が手がけたことがない構造の家具になっていました。

「やっぱり現地で職人さんと直接コミュニケーションを取り、微妙なニュアンスを伝えたい…」

でも、叶わないことにしがみついていても仕方ありません。

こういう状況下でこそ、家での暮らしをみなさんに楽しんでいただけるような家具を開発したい!

そんな思いひとつで、家具のリモート製作に挑みました。

リモートで製作するにあたって心がけたのは、いつも以上にわかりやすく情報を伝達すること。

設計図はシンプルかつ明確に。

ポイントとなるところは強調し、重要度をアピールしました。

例えば、今回の新作のアクセントとなる七宝柄については、七宝柄のボリュームと配置位置をわかりやすくするために、その部分を設計図上に赤いパーツで示し、視覚的に把握しやすくしました。

アジアン家具KAJAチェストの製作イメージ

一方の工房サイドも、こちらの意図を汲みとろうと必死に歩み寄ってくれました。

ポイントとなる七宝柄の型を起こして切り取り、それを家具に当てながら、柄のボリュームや配置をオンライン通話で確認するなど、手間を惜しまずに細かい調整に付き合ってくれたのです。

アジアン家具のレリーフ家具製作風景

リモートでやり取りをしていると、モニターの画面に広がる作業場の風景がやけに懐かしく、ジャワ島の片田舎にある小さな工房のにおいさえも漂ってきそうです。

工房にはわずか3人の職人しかおらず、自宅の片隅が作業スペース。

そんなコンパクトなスペースで、家具のパーツづくりから組み立てまでよくできるなと、訪問のたびに感心していました。

アジアン家具レリーフ家具を作る工房

アジアン家具レリーフ家具を作る工房2

アジアン家具レリーフ家具を作る職人

そんな風に、現地の空気感を思い出しながら、幾度もやり取りを重ね、なんとか新商品の完成にこぎつけることができました。

モニター越しに見る新商品は、希望通りの仕上がり。

その完成形に満足しつつも、果たして塗装の仕上がりや手触り、そして強度はどうなのか…。

こればかりは、実際に見て、触れてみないことには安心できません。

ところが新作が日本到着すると、もろもろの心配事は杞憂に過ぎませんでした。

MUSCAシリーズの塗装は、昔ながらの天然素材を使ったセラック塗装。

その天然塗料を薄く塗って乾かす工程を繰り返すことで、チーク材の木目を生かした味わいのある表情に仕上がります。

セラック塗装された新作の色味は、既存のMUSCAシリーズよりやや軽やかなブラウン。

インドネシア×北欧を融合した今回のデザインにぴったりでした。

そして、表面の手触りも程良い光沢感があり、期待通り。

脚のぐらつきもなく、強度も問題ありません。

アジアン家具KAJAのMUSCA/キャビネット

アジアン家具KAJAのMUSCA/キャビネット

アジアン家具KAJAのMUSCA/コーナーキャビネット

思えば、MUSCAの工房とは、もう10年以上の付き合いになります。

今までのコミュニケーションの積み重ねが、こうした状況下での家具づくりに生かされたのでしょう。

お互いのこだわりと、良いものを作り上げたいという信念がひとつとなり完成した新作。

遠く離れたインドネシアに、同じクラフトマンシップを持つ仲間がいることを、とても頼もしく感じました。

次回は、MUSCAシリーズの再入荷アイテムをご紹介します。

スタイリッシュにコーディネートしやすいニューカラーも入荷しましたので、ぜひ、チェックしてみてください。


2020.06.20 10:00 DIARY

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