KAJAの家具製作はインドネシアをメインに行われています。
日常生活を大きく変化させた新型コロナウィルスも5類に落ち着き、2024年わたしたちは約4年ぶりとなるインドネシアの家具工房へ向かいました。
2月、久しぶりの東南アジア。寒い日本から一転、暖かな気候と高まる期待ゆえのほどよい熱気に包まれてジョグジャカルタ国際空港に降り立ちました。
インドネシアと言えば屈指のリゾート地、バリ島が有名ですが、私たちの家具工房のほとんどはジャワ島にあります。
ジャワ島までの道のりは長く、国内での飛行機の乗り換えに加え、長時間の電車移動があります。
日本の路線の快適さとは異なるインドネシアの列車事情を知ったつもりで覚悟していたら、豪華シートを備えた特急列車が待っていました。
この数年で大きくインドネシアが変わったかと言うと、そうでもないのですが、電車に関してはびっくり。
見違えるほどに綺麗になっていました。
とはいえ、線路自体は同じなので揺れる、揺れる…、揺れの多さは変わりません。約5時間かけて、目的の家具工房まで到着しました。
まずは、どの工房でも新商品のチェックを行います。
これだけSNSやインターネットが普及していても、ウェブサイトに載っていない商材が多数ある工房ばかりです。
実際に見て気になるものがあれば、すべてサイズや価格を問い合わせておきます。
さて、今回のメイン商材、丸いダイニングテーブルは、いくつかの工房を巡る中でようやく見つけました。
かつてKAJAではLaMer(ラメール)シリーズにて丸いダイニングテーブルを製作しており、人気の商材でしたが、構造上不安定な部分がどうしても改善できず、お客様に惜しまれながらも生産終了した経緯があります。
なので、今回は丸いダイニングテーブルを探す、と言うのがひとつのミッションであったのです。
昨今の暮らしには決まった形に囚われすぎない自由な傾向を感じます。
KAJAのお客様にも個性的な間取の住宅や、別宅、複雑な家族構成など多彩なスタイルをお持ちの方が増えているように感じます。
四角いダイニングテーブルは、基本的には座る席が決まっていて、それぞれのスペースがわかりやすいです。
しかし丸いダイニングテーブルは、サイズにより限界はありますが、何人でかけても問題ない仕様です。
人数を限定せずに、好きなスペースを自由に使える柔軟性があります。
そして角のない丸いフォルムは、お部屋をどことなく優しい雰囲気に感じさせます。
お互いの顔が見やすく、座る人がみな中心に向かっていることでコミュニケーションの取りやすさもあります。
自由な心地よさが求められる現代の暮らしのニーズにあった商材なのかもしれません。
そこで見つけたのが、「Magelang Round Dining Table / マグラン ラウンドテーブル」
1本脚や4本脚で支えるタイプが多い丸いダイニングテーブルですが、こちらは2枚の板状の脚を平行ではなくハの字型に配置した珍しいデザイン。
安定感があり、見た目もスタイリッシュです。
それでも無垢のマンゴーウッドを使っているので質感にあたたかみがあり、上品なリゾート感を備えています。
構造に問題がないことを念入りに確認の上、トレンドを意識したグレージュカラーと、リゾート感満載のホワイトカラーをオーダーしました。
ホワイトは透過性のある塗装で、木の風合いや質感をより感じられる爽やかな仕上がりになる予定です。
そして、このダイニングテーブルに合わせるチェアも並行して探しました。
スッキリとした細身の脚に、厚みのあるクッション素材で背面を贅沢に覆った「Batam Arm Chair / バタム アームチェア」同じグレージュとホワイトのカラーで統一感もバッチリ。
組み合わせれば、よりモダンでスタイリッシュな印象を与えてくれるチェアです。
ここまでいくつもの工房を訪ねては移動、訪ねては移動。素肌に太陽の熱をジリジリと感じながら、自然そのままのジャワ島の田園地帯をひたすら進みました。
現地の人はそれでも長袖が多く、Tシャツ短パンで移動するわたしたちは、観光客の多くないジャワ島ではいかにも外国人のよう。
長袖が多い理由は、宗教上のものというより虫刺され防止だとか。
確かに工房を巡るたび素肌にいくつもの赤い跡をつけて、わたしたちの買い付けは続いたのでした。