調布店勤務の家具バイヤー岡田です。
気がつけばもう6月!
半年以上先のシーズンを視野に入れて買い付けをしていると、あっという間に季節が過ぎていきます。
さて、4月のエッセイでは、ジャカルタ〜シンガポールで開催された家具の見本市での買い付けの様子を紹介しました。
今回は、その時買い付けた家具の中から、FARGO(シリーズの新作のダイニングテーブルにスポットを当てつつ、買い付けた後、僕たちバイヤーがどんなプロセスを経て商品化しているのかお伝えしてみたいと思います。
ジャカルタの家具メーカーで作られているFARGOシリーズは、KAJAおなじみのブランド。
現在もソファなどいくつかのアイテムを取り扱っています。
(↑ FARGOシリーズの代表アイテム。バナナリーフのソファ)
思えばFARGOのメーカーとは、もう12 年のお付き合い。
長い年月をかけて、お互いのものづくりのスタイルを理解し、そしてすり合わせをしながら、ビジネスパートナーとして信頼できる関係性を築いてきました。
あうんの呼吸で求めているものを形にしてくれる…そんな頼れるメーカーではありますが、今回のように新作のオーダーともなると気は抜けません。
完成度はどうか、KAJAだけのオリジナル仕様がちゃんと反映されているかなど、仕上がりが気になって気になって…。
インターネットや電話を介して、綿密なやり取りを重ね、商品化に向けて細かいすり合わせを続けてきましたが、やはり実際の商品をこの目で確認して納得しないことには、お客様におすすめできません。
というわけで、FARGO新作の完成度のチェックに、再びジャワ島に飛びました!
FARGOメーカーのあるエリアへは、ジャカルタから鉄道で4時間。
車窓には、見たことのない植物、牛やヤギが放し飼いにされている様子など、異国の暮らしぶりがわかる風景が広がります!
ですが、そんな景色は延々と続くわけで…。
新鮮に思えた風景は、あっという間に見慣れた風景へと変わってしまいました。
車窓への興味が薄れたせいか、車内の半端ない冷気(エアコン、キンキンに効かせすぎ!)が、ことさら体にこたえます。
ペラっとしたウインドブレイカーを着込み、寒さと戦っているうちに、なんとか目的地へ到着しました。
欧米との取り引きが多いFARGOのメーカーは、ジャワ島の中でも大規模な家具メーカーの一つ。
開放的なショールームは、竹を大胆に用いたディスプレイが印象的で、見渡すのが難しいほど広い工房には、製作途中の家具がいくつも並んでいます。
今回、工房を見学して驚いたのが、木材のカットが、コンピューター制御で管理されていること。
インドネシアの家具メーカーでは、かなり先進的!
手作業でのものづくりするという主体は変わらないものの、最新技術を取り入れることで、効率化と精度の向上を図る。
そんな製作現場の姿勢に頼もしさを感じつつ、 FARGOの新商品のチェックに挑みました。
特に気になっていたのが、FARGOシリーズ「コーラルダイニングテーブル」の仕上がり。
日本の住まいに合うサイズ感、無塗装の天板の風合い、天板の縁と脚周りの丸み具合など、KAJAのオリジナル仕様をあれこれお願いしていたからです。
「ああ、ちゃんと反映されているだろうか…」期待と不安が広がります。
まずは引いて見て、寄って見て、そして触って。
さらにテーブルをひっくり返して細かい接合部分もじっくり見ていきます。
…安心しました。
展示会で見た通り、とても良い仕上がりになっています!
仕上がり、サイズ、構造、精度などを細かく見て、自信を持って商品化できると確信。
ひとつだけ接合部分で気になったところがあったので、細かい指示を出し修正を約束してもらいました。
持ち込んだ水分計で含水率をチェックしたところ、今のところ規定内。
湿度の高いインドネシアの天然木で作られた家具は、そのままだと日本で使用した時に木が割れてしまうことも。
それを防ぐために、KAJA規定の含水率まで家具を乾燥させる必要があるのです。
含水率については、日本に到着後も引き続き様子を見ていきたいと思います。
このコーラルダイニングテーブルと、同シリーズのウィンチェスターダイニングテーブル(ブラックの脚がモダン!)、ダイニングチェアは、8月中に各店舗でお披露目する予定です。
「モダンリゾート」をテーマにしたスタイリングでご提案いたしますので、ダイニング家具をお探しの方、ぜひ、 KAJAに遊びにいらしてください!
さて、次回のエッセイでは、同じく前回の出張でオーダーしたラメールシリーズの工房を訪ねます。
ラメールシリーズの新商品の完成度は…大丈夫かな!?